土地の評価について

土地の評価は、税理士によって、評価額が大きく異なることもあり、様々な特例の適用や評価減の要素に細心の注意を払う必要があります。

なお、一般的に土地の評価は以下の流れで行われます。

• (1)概算評価・・・『路線価図』『住宅地図』『公図』『実測図』『登記簿謄本』を参考に評価します。
• (2)現地調査・・・土地の形状や利用状況を調査します。また、道路との接道状況や境界等も調査します。
• (3)役所調査・・・役所に行き、セットバックの有無、建築制限の有無、容積率等を調査します。
• (4)最終評価・・・上記①～③の結果を受けて、最終的な評価を行います。

なお、評価を減額できる要素には、例えば、以下のようなものがあります。

• ・土地の形がいびつ
• ・都市計画道路予定地の区域内にある
• ・セットバックが必要
• ・同じ敷地内で容積率が異なる
• ・道路に接していない
• ・アパート、スーパー、倉庫等の敷地
• ・近隣に比べて広い(500㎡以上など)
• ・崖地、傾斜地
• ・線路沿いにある
• ・高圧線の下にある
• ・文化財建造物の敷地に利用されている
• ・道路と高低差がある
• ・忌みなどの取引金額に影響を受ける要素がある

税務調査と名義財産について

　国税庁の統計資料によると、相続税の税務調査は、相続税申告全体の約30％に実施され、そのうち、約80％もの高い割合について、申告漏れの指摘をされています。また、申告漏れを指摘される財産は、預貯金・有価証券の順となっており、税務調査の重点は、金融資産にあることがわかります。

税務調査への対策から、特に気を付けるべき点は、金融資産のうち、名義性の財産です。これは、財産の名義は違うが、実質的にその原資は被相続人のものである財産のことをいいます。
金融資産は、不動産に比べて移動することが容易であり、他の親族に移すことや名義だけを変えることにより課税を免れようとすることを、税務署は特に警戒してきます。

税務調査で指摘を受けると、加算税や延滞税等のペナルティ―を課され、本来納める必要のない税金も払わなければならなくなります。

したがって、一般的に、過去5年分の通帳等から預貯金の動き等を調査し、将来の税務調査に対して、準備をしておくことが必要となります。